施工事例

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2023.09.29

青いハヤブサ

世界最速の称号

修理風景をまとめた画像をYouTubeに公開しています。
https://youtu.be/DaO8N8BoBRw



1969年、世界で初めて時速200kmを現実とした量産車がホンダのCB750。
そして30年後の1999年、世界で初めて時速300kmを現実とした量産車の1台が、今回の修理車両である規制前のハヤブサです。


1970年代から始まった日本のオートバイによる世界最速争いは、1990年に誕生したカワサキのZX-11によって、夢であった時速300kmをグッと手繰り寄せます。


1993年、スズキは油冷エンジンから水冷エンジンへシフトしたGSX-R1100Wを発表。145馬力から155馬力と、世界最速と謳われていたZX-11の147馬力を凌ぐ、最高出力の魅力に負け、私は93モデルを新車で購入する事となります。


その翌年、友人がD2型となったZZR1100「ZX-11」を新車で購入。
他の友人達も、ホンダのCBR900RRやRC45「RVF750」、スズキは私と同じGSX-R1100WとGSX-R750T、カワサキはGPZ900R「ニンジャ」とZX-7RR。

こう振り返ってみるとイカレポンチな集まりでしたね(笑)
全車試乗しているので、それぞれを熱く語りたいのですが、今回はハヤブサに辿り着く過程に関わっているオートバイのみ話をしていきます。


最高出力で勝るも、最速にはなれなかった私のGSX-R1100W・・・
パワーだけでは最高速を上げるコトが出来ない。
そういう解釈も出来ますが、実はZX-11には走行風を利用したパワーアップ装置、ラムエアーシステムが採用されていました。
世の中に公表していた147馬力がラムエアー過給によって10馬力以上は上乗せされている話を考えれば、時速250kmの時に最低でも157馬力は出ている事に。
実ははなからパワーでも負けていたのです。


そしてZX-11を試乗し、世界最速号は乗り手に優しい事を知ります。
柔らかい足回りのお陰で、積極的に介入しなくても、楽なポジションで自然に曲がっていく感じや、低速域から始まる大排気量らしいトルク感は、どの回転からでも力が溢れ出て来るような感じなので、高いギヤのままATの様に走れます。


積極的にオートバイの動きに介入する事で得られる旋回性能と高重心なモノが倒れる様に転がっていく独特のコーナリング。
明らかに存在するパワーバンド内での官能的な加速力と隠すのが勿体ない位、造形美のある水冷エンジン。
スズキのアイデンティティであるダブルクレードルフレームに少しだけカッコ良くなったカウリング。
私のR子ちゃんの好きなところを挙げて見ました。


気合を入れて走る事が最大の楽しみ方である私のR子ちゃんに対して、肩の力を抜いてツーリングする「移動する」事が最大の楽しみ方に感じたZX-11。


予感はありました。
1996年に発売したスズキのGSX-R750。
アイデンティティであるダブルクレードルフレームにようやく見切りをつけ、ツインスパーフレームへ進化。
油冷エンジンを模した様な冷却フィンが残る造形美とも取れる水冷エンジンを止め、徹底的に高性能化を推し進めた無機質な水冷エンジン。
そしてラムエアーシステムの採用。


性能はもちろん大切ですが造形美も大切なのだとスズキは考えていたかも知れません。先ずエンジンがあってフレームがあって足回りがあって外装があってと各々を魅せる手法と言えばよいのか、特にエンジンは他メーカーが空冷から水冷へシフトしていく中で油冷という冷却方式をレースシーンでさえ1990年初頭まで採用。
その後も市販車の一部には油冷エンジンが採用され続けていました。


その造形美溢れるエンジンをツインスパーフレームにしてしまうと、外からは見えなくなってしまいます。そんな理由から鉄パイプ時代のダブルクレードルフレームをアルミ製へと進化させ1998年までR1100に採用していたのではと思わずにはいられません。


そんな造形美と決別した事で、真の高性能化を実現したのがGSX-R750T。
これでハヤブサのベース車両が登場したのでした。


ハヤブサは20世紀のスズキアイデンティティが詰まったGSX-R1100Wの後継型ではなく、21世紀での新たなスズキアイデンティティとなるべく生まれたオートバイだと私は思っています。


1996年にはホンダからCB1100XX「スーパーブラックバード」が発売。
2000年にはカワサキからZX-12Rが発売。
この日本メーカーによる実測で300kmを現実としてしまったオートバイの更なる進化の果てにある何かを恐れたか真相は不明ですが、2001年モデルより自主規制という形で時速299kmでリミッターが作動する事となり、1990年後半から加熱した最高速争いは終止符を打つ事となりました。


実測で時速300kmを超える時は、メーター読みで340を超え、数字は刻まれていませんが、350のフルスケールの大半を使い果たします。
























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