施工事例

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2025.04.07

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4-12 F5BエンジンをF6AのECUで制御

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F6AエンジンをF5BのECUで制御し極低速域が絶不調だった今回のワークス。
逆にF5BエンジンをF6AのECUで制御したらどうなるか検証していきます。








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クランクシャフトをロングストローク化し排気量アップさせているだけなので、エンジン単体での外観だけでF5BとF6Aの違いを認識出来るのは原動機の刻印とオイルプレッシャスイッチ位置だけです。
インマニやデスビそしてオイルパン等、装着されている部品からようやく判断出来る位、F5AやK6Aとは別物の関係性がF5BとF6Aにはあります。


左端に見えるエンジンとミッション間に組み合わさるクラッチハウジングアッパプレートはF5BとF6AはもちろんF6Bや旧規格のK6Aも共通部品の1つです。
つまりエンジンとミッションの組み合わせをボルトオンで変更出来ると言うコト。
ファイナルギヤが3種類、各ギヤともなればNA用も含め、結構な組み合わせ変更が可能です。

その隣のフライホイールは上が入庫車両のモノで、下が在庫品のF5B用。
どちらも同じ部品ですが、共通であるF6AとK6A「中期まで」そしてF6B用に比べると小さく軽い。そのためF5B用ではないセルモータを組み合わせる場合、組み付け穴を広げ位置を変更しないとセルモータがフライホイールを回せずに空回りします。「昔に作ったのを思い出しました」

その隣がクラッチセット。
見た目だけでなく残量的にも比較的新しい様に見えますが、アイドリング時の異音の原因っぽい感じがしているので、とりあえず在庫品を使用し異音が消える様であれば新品に交換します。



FF用のミッション。
シフトフォーク用のスプリングとボールを押さえているボルトが欠品していましたが在庫品で対応。
4速に異様に近い5速のフィーリングが新鮮です。



クラッチのレリーズベアリングからも比較的新しいモノだと判断出来ます。



F5B用のインマニを使用しない一番の理由はISC用のバキューム配管の太さ。
通過量が圧倒的に多いF6A用の方がアイドリング制御に適していると判断しての交換ですが、排気量が少ない分だけ配管を通過する吸入負圧量と言うか速度に違いがある可能性もあり、ここは付け替えて試して見る価値がありそうです。



シリンダヘッド。
550も660も全く同じモノなのではと思うほどインマニがボルトオンで流用出来ます。
2年ほどでF6Aにバトンタッチしている事からもストロークアップで660にする事は最初から決まっていたはず。
そう考えるとショートストローク特有の回転馬力型ではなく、ロングストローク化によるトルク型をスズキが選んだと言うコトに。
回さないと速くないF5Bと回さずとも速いF6A。
同じ見た目でありながら正反対のキャラクターとなった結果、F5B信者が現れてしまったのも納得です。











水温センサーが装着されているサーモケースもF6A用。
ここも流用可能です。




インマニのガスケットだけでなくボア径も同寸なのでヘッドガスケットも共通です。







鉄ブロックなのである程度のサビは許容範囲ですが、メクラ蓋の錆び具合によっては交換も視野に入れておいた方が無難です。
エンジンオイルも大切ですが冷却水不足もエンジンを壊します







カムホルダー間の配管も要確認です。
シングルカムに比べ熱量が多いからかゴム類が硬化するのが早い様に感じます。



F5Bの純正は7番ではなく8番です。
これだけでも高回転域に標準が定まっている事が分かります。
ただ低中速域のダルさの原因の1つでもあるため、高回転域のもう一伸びの力強さを感じるシュチュエーションが限りなく非現実的な速度域である以上、普段乗りプラスα程度の使い方であれば、間違いなく7番の方が低中速域でのレスポンスが上がるので気持ち良く走れます。



カプチーノ用のF6Aだったらしく全長が短いデスビ。
点火時期が短絡固定無しで10数度とF6Aとは明らかに違う調整方法からも、ECUとの関わり方「進角/遅角制御」にも違いがありそうです。


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本当は3日の夜には載せ替え「付け替え」も終わり、エンジン始動目前まで来ていたのですが、何故か掛からない。
その原因は・・・



何故かインテーク側のカムシャフトプーリーが5コマほど遅角状態にあったから。


適正な状態に戻しエンジン始動。
若干のカブリ症状が出てはいるが一発で目を覚ましたF5Bエンジン。
私の知る限りラッシュアジャスターがガチャガチャいうイメージのF5Bでしたが、このエンジンは何の異音も無く掛かっているではありませんか!
コマずれでバルブへのダメージも頭に過った私の心配も杞憂に終わりそうです。






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F6AのECUではアイドリング時の燃調が若干濃い事が判明。
とても車検に合格出来る排気ガス数値ではないため在庫しているレジスターから最適な数値を選択すべく試しながらの試乗を開始しました。

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